仙台在住SEの誰も読まないであろうブログ

地方で働くSEの日常を綴ります

【読書】外国人まかせ失われた30年と技能実習生(澤田晃宏)

Youtubeの「一月万冊」で筆者を知り拝読。

 

日本は移民の受け入れに消極的だが、国際貢献という名目で"技能実習生"として外国人労働者の受け入れを行っている。日本で技術を学び、帰国後にその技術でその国の発展に寄与するという建付けだが、実態はただの労働者の確保である。

 

職種は限られていて、農業、漁業、建設、食品製造、繊維・衣服、機械・金属、その他などがあるが、どれも日本人には不人気な重労働、単純労働を対象としている。

 

私が住む町でも外国の方を見かける機会がかなり増え、何となく不安な感情も抱いていたが、本書を読むことでむしろわざわざ日本に来て頂いてありがとうございますという気持ちになった。

 

また、印象に残った話として、実習生の「失踪」などがたびたび発生するが、いわゆるブラック企業であることが原因かと考えていた。しかし実態は給料が低い、残業が少ないなど収入が少ないことが原因であることの方が多いらしい。

 

残業が少なくて失踪するとは、、、と日本人には到底理解できないが、彼らからすると稼ぎに来ているので休みよりも残業代の方が重要であることは頷ける。不景気に陥ったとしてもぬるま湯になれあ日本人ではもはや到底太刀打ちできないではないだろうか・・。

 

一見豊かに見える日本の生活も、外国人労働者に支えていただいていたんだなと実感し、自国民として情けなく、そんな事実さえ知らず生きてきたことを恥ずかしく思う。これほど外国人労働者に依存している状態で出稼ぎ国として日本に魅力がなくなったときに、この国の社会・経済は成り立たたくなだろうな。

 

あまり希望は見いだせないが、現実を知るうえでとても良い本だと思う。